体験談

掌蹠膿疱症 病歴37年

掌蹠膿疱症歴37年 / 女性(70代)

30代前半に左足裏に痒みを伴う水疱状の湿疹が出始めたが、当初は何かにかぶれたか位に軽く考えていました。
徐々に右足裏にも移行し両足裏全体に、水疱、膿疱、皮膚が厚くなり皮膚の落屑も酷く、36歳の時に初めて皮膚科受診。
その時に掌蹠膿疱症との診断結果。
内服薬、外用薬、注射薬など治療を続けましたが、悪化の一途を辿ります。
病院を転々としましたが、良くならず自己判断のもと漢方薬などの民間療法も試しました。
そうこうしているうちに、47歳の時に両手にも発症。
頭皮も全体にかさぶた状態、身体にも皮疹。
足は歩行時に硬い皮と膿疱が歪み亀裂が生じ、まるで沢山の画鋲を踏んで歩く様な痛み。
まず立ち上がる事が辛い、そして第一歩を踏み出すのが辛い。
一時は車椅子使用、杖無しでは歩行困難な状態に。
手も酷く手の掌や爪の中にも膿疱だらけで正常な皮膚はほぼ皆無。
この時点で大学病院に受診。
重症で日常生活は無理との事で、3ヶ月近く入院治療。
内服薬、外用薬を始め、光線治療、扁桃腺摘出手術、同大学病院にて歯根治療。
幼少期から現代に至る全ての治療済の歯にラバーがけをし、コアを除去。
全てチタンコアに入れ替えをし、上物はアレルギー対応の歯にしました。
その当時は掌蹠膿疱症と言えば、歯科金属アレルギーが主流でした。
私も十数本くらいだったと思いますが、治療をして頂きました。
ただ、金額も自費となり、一般家庭には厳しい現実です。
確かその当時、チタンが1グラム●万円しました。上物はもっと高額になります。
根気強く治療を続けるも、症状は軽くなったり重症化したりの繰り返し。
2009年元主治医が遠方に転勤の為、元主治医の紹介により現主治医の元に転院。
私は、30年近く入浴は真冬でもシャワーのみ。湯船に浸かると皮膚の落屑が酷く湯が見えない位皮が浮き、排水時皮で排水口が詰まり後処理が大変なのです。
手は17年間常時手袋着用の為、素手で物を触った事も洗顔やシャンプーも素手では出来ませんでした。
また見た目が汚いので感染するのではと偏見の目で見られる事もしばしば。
その結果心も悲鳴をあげ精神科にも通院。
主治医の勧めもあり、2015年から生物学的製剤の治験を1年8ヶ月間参加した結果、手、足、身体の殆どの皮疹が解消。
素手、素足になる事が出来、湯船にも30年振りに浸かれる様になり、やっと普通の人間に戻れた気がしました。
心底嬉しい気持ちで一杯でした。
やっとこの生物学的製剤が認可されたので私を含め多くの患者が救われる事でしょう。
長い間治療をしても良くならず通院を諦めてはいませんか。
胸骨や手足の皮疹の痛み、見た目の酷さで外出を諦めてはいませんか。
どうか諦めずに皮膚科受診をしてください。
医学は日進月歩。
全国の皮膚科の先生方にも、患者に寄り添い、新しい治療法、適切な治療とご指導を切に望みます。
私達患者は、病気の痛みと戦い、偏見という心の痛みとも戦っているのですから。

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